愛岐中央眼科愛岐眼科愛岐中央眼科愛岐眼科

アレルギー

アレルギーアレルギー

ALLERGYアレルギーとは

より正しく有効にお薬をご利用下さるよう、まずはアレルギーについての概念をご説明します。免疫反応が原因で体に障害が発生することをアレルギー反応と呼びますが、大きく4つの型に分けられます。

ALLERGIESアレルギーとはALLERGIESアレルギーとは
Ⅰ型:
喘息やアレルギー性結膜炎などの即時型反応
Ⅱ型:
各種血液病などの細胞障害型反応
Ⅲ型:
リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの免疫複合体型反応
Ⅳ型:
春季カタル、フリクテン性結膜炎などの遅延型反応

※アトピー性皮膚炎はⅠ型とⅣ型が絡みあっています

Ⅰ~Ⅲ型は抗体が関与し、Ⅳ型は感作されたリンパ球(白血球の一種)が関与しますので型により薬の系統を使い分けます。Ⅰ型とⅣ型についてもう少しだけ詳しく述べます。

アレルギー性結膜炎が属するⅠ型では、特定の白血球等にくっついたIgE抗体に花粉などのアレルゲンが付着すると、その白血球等からヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学物質群Aが放出されて、体各所の血管の壁が通り易くなったり・分泌腺からの分泌が増えたり、平滑筋が縮んだりします。
アレルギー性結膜炎が慢性化してひどくなり、「春季カタル」と呼ぶ状態になる方がお子様等でおられます。これはⅣ型に属します。Ⅳ型アレルギーは、過去に特定の侵入物に侵害されたことで経験値を増したある種の白血球に再び侵入物が侵害すると起きる反応で、ある種の白血球から化学物質群Bが放出され、それが強力過ぎることで体の細胞が傷つきます。

アレルギー性結膜炎について

花粉症に代表されるアレルギー性結膜炎は5人に1人の方が保有しているのでとても身近なものです。瞼の裏や白目の表面を覆う「結膜」で起こる即時型アレルギー反応です。Ⅰ型アレルギーですので、分泌物で浮腫を起こし、ヒスタミンからくる連鎖反応が脳に伝わって痒みを自覚します。
代表的な原因を表にします。

1~3月 3~6月 7~9月 10~12月 スギ ヒノキ イネ科(カモガヤ) 雑草(ブタクサ) 昆虫(蛾、ユスリカ) ハウスダスト(ダニ、カビ)

春季カタルについて

アレルギー性結膜炎が慢性化重症化して発症する遅延型アレルギー(Ⅳ型)です。強い充血と大きなぶつぶつ(乳頭増殖)が結膜にみられ、激しい痒みと異物感を感じ、ひどい場合は接触する角膜も障害され痛みを感じます。アレルギー反応の慢性化により発症するので一年中反応するハウスダスト(ダニ、カビ)が原因のほとんどを占め、春頃に重症化しやすいためこの呼び名となっています。

フリクテン性結膜炎について

角膜の縁に付着した細菌等に対する炎症反応です。細菌付着後、炎症で10日間くらいかけてだんだん膨らんできます。遅延型アレルギー反応(Ⅳ型)です。

TREATMENTアレルギーの治療

アレルギー性結膜炎

まずアレルギー性結膜炎ですが、基本はⅠ型反応を制御する点眼薬で、放出されたヒスタミンをブロックする作用が主な作用となります。

レボカバスチン塩酸塩(リボスチン®):白血球等から放出されたヒスタミンをブロックする作用があります。

オロパタジン塩酸塩(パタノール®):白血球等からヒスタミンが放出され難くする作用と、白血球等から放出されたヒスタミンをブロックする作用があります。→ヒスタミン系を集中的にブロック

エピナスチン塩酸塩(アレジオン®):白血球等からロイコトリエンが放出され難くする作用と、白血球等から放出されたヒスタミンをブロックする作用があります。→ロイコトリエン系とヒスタミン系の両系統をブロック

アレルギー性結膜炎アレルギー性結膜炎

※上記3種より前世代の点眼剤はヒスタミン等の放出抑制作用に留まるものが多いため効果は限られ、炎症の輪廻開始を避けることを目的として、季節性アレルギー反応出現前の予防投与的使用が適切と考えられます。
ただ、慢性化した場合は特殊な白血球(Tリンパ球)が関係する遅延型アレルギー反応(Ⅳ型)を制御しなければなりません。Ⅳ型アレルギーに対して前述のⅠ型に対する薬だけでは無力です。よってTリンパ球を制御するステロイドの出番です。

アレルギー性結膜炎アレルギー性結膜炎

フルオロメトロン(オドメール等®):Tリンパ球の活動制御。
※高眼圧・白内障・感染症になる場合あり
※副作用の面から闇雲に使用するのは避けるべきで、特に連用する場合は眼科医の定期診察を要します。

また、アレルギー性結膜炎とともにアレルギー性鼻炎を併発している場合は、同様の成分を有する点鼻製剤(スプレー)や内服製剤も併せてご利用下さると、より効果的です。

春季カタル

次に春季カタルです。アレルギー性結膜炎が慢性化してさらに重症化した場合はやはりⅠ型に対する点眼の他、Ⅳ型反応を制御するためにステロイドの使用を考慮します。ただ上述の副作用があることと、より重症な患者様がいることから、その欠点を補ってかつ炎症反応をさらに強力に制御する薬として免疫抑制剤が存在します。強力な免疫抑制作用の為、感染には注意をより払わなければならないことと、高額なことから下記2つの点眼製剤は、日本では春季カタルの患者様に限定して使用が認められています。

シクロスポリン(パピロック®):特殊な白血球(Tリンパ球)の活動及びその産生物質を制御

タクロリムス(タリムス®):Tリンパ球系統の制御の他、別のリンパ球(Bリンパ球:Ⅰ型に関係)系統も制御し、Ⅰ型、Ⅳ型両系統を制御します。

春季カタル春季カタル

フリクテン性結膜炎

フリクテン性結膜炎に対してはⅣ型アレルギー反応を制御する目的でステロイド点眼を使用するとともに細菌除去のため抗生剤点眼も使用します。

当院では、アレルギー反応に関する障害でお悩みの患者様に対し、どのタイプの炎症がどの病期でどれくらいの重症度を有するのかを見極めたうえで適切な治療法を選択させて頂いております。