外眼部手術
外来処置室にて外来診察枠内の予約制にて対応させて頂いております。
BLEPHAROPTOSIS眼瞼下垂症手術
概念
まぶたは瞼板という名の幅2.5cm高さ1cm位の軟骨で支持されており、眼窩骨という眼球を囲む骨からぶら下がっている状態です。ただぶら下がっているだけではなく、2つの筋肉を介してぶら下がっているのですが、この2つの筋肉のバランスをとった収縮と弛緩でまばたきが出来ています。
この機能の不具合によりまぶたが下がってしまっている状態のことを「眼瞼下垂」と呼びます。
原因として①先天的な神経支配や筋肉発生の異常②まぶたの開閉を司る動眼神経の異常③加齢やコンタクトによる筋肉の緩み があります。治療として、①は弱視発生の原因にもなりますので、全身麻酔下での手術を検討する必要があります。②は神経内科的精査及び加療を要します。
当院では③に対し、手術加療を施行させて頂いております。
治療
眼瞼を消毒後、眼瞼に注射麻酔をします。上眼瞼を横切開し、弛緩した皮膚をバランスよく切除します。2つの筋肉(ミュラー筋・眼瞼挙筋)を眼瞼カーブが自然なラインとなるように、それぞれバランスをとって瞼板に短縮固定します。眼瞼膨隆の原因となるような余分な脂肪を切除した後、重瞼ラインを形成し、皮膚縫合します。
当院では、概ね以上の流れで施行しており、30分程頂いております。
内眼手術ではないため、生活制限はしておりませんが、手術当日の運転はお控え下さい。
1週間後に抜糸します。
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術前
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術翌日
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術後2ヶ月
ENTROPION眼瞼内反症手術
概念
上もしくは下のまぶたが内側に反っている状態のことを眼瞼内反症と呼びますが、実際には「逆まつ毛」として自覚されます。①お子様が先天的に発症している場合と②お年の変化により徐々に発生してくる場合があり、成因と治療法はそれぞれ異なります。
治療
①(お子様の場合)はまぶたを外側に引っ張る筋肉(眼瞼牽引筋腱膜)の一部が未発達なことで発生し、お子様は特に皮膚やまぶた周囲の筋肉の膨らみも多いので双方相まって内反症状を引き起こします。 眼瞼を消毒後、眼瞼に注射麻酔をします。皮膚を数カ所切開し、まつ毛周囲の皮下組織と瞼板を縫合し外向きにまぶたを突っ張らせます。必要に応じて膨隆の原因となっている余分な皮下組織や筋肉を切除することもあります。当院では、概ね以上の流れで施行しており、15分程頂いております。
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BEFORE術前
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AFTER術後
②(加齢現象による場合)はまぶたを外側に引っ張る腱組織や結合組織の垂直方向へ緩みの他、外向きにまぶたを引っ張る靭帯の緩み、まぶたを円周上に取り囲む筋肉(眼輪筋)の瞼板(軟骨)への乗り上げの3つが原因で発生します。要するにまぶたに緊張をもたらす3つの組織の緩みですが、内反症の程度により、1~3つの緊張を取り戻すことが必要となります。 眼瞼を消毒後、眼瞼に注射麻酔をします。上もしくは下眼瞼を横切開し、必要あれば弛緩した皮膚をバランスよく切除します。まぶたを外側に引っ張る腱組織等の緩みの改善目的に皮下結合組織と瞼板を縫合します。これで内反症の改善が不十分であれば、他の2つの腱組織等の短縮調整をし、皮膚縫合します。当院では、概ね以上の流れで施行しており、20分程頂いております。
1週間後に抜糸します。
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BEFORE術前
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AFTER術後
PTERYGIUM翼状片手術
概念
角膜中央部に向かって結膜(多くは鼻側)が侵入してくる疾患で、直射日光等の紫外線を浴びる機会が多い方に好発します。初期であれば保湿点眼及び消炎点眼を適宜使用して進行予防しますが、異物感や乱視の増強の他、整容面でも問題となる場合に手術加療を施行します。
治療
角膜、結膜を清浄後、翼状片本体に注射の麻酔をします。角膜から翼状片本体を剥離除去し、根元の病的な結膜やその下部組織も可能な範囲で除去します。このままでは容易に再発しますので空白となった結膜除去部に正常な結膜を設置します。多くは下方の弛緩した結膜を剥離転回して空白部にバランスよく縫合します。当院では、概ね以上の流れで施行しており、15分程頂いております。
糸は自然に吸収される素材のものを使用しますが、1週間経過後必要あれば抜糸します。
術後は再発予防・消炎目的に術後数カ月点眼剤を使用します。炎症・再発予防目的のステロイド点眼剤は角膜再生にとっては不利に働きますので、高強度の製剤から順次切り替えていきます。
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BEFORE術前
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AFTER術後2ヶ月
CONJUNCTIVOCHALASIS結膜弛緩症手術
概念
ご高齢の方が涙目として自覚されている症状の中に本疾患が含まれていることが多いです。白目は層の膜で構成されていますが、クッションの役割を担っている中央層が加齢に伴って退縮することにより再表層(結膜)と最下層(強膜)の間でズレが生じます。結膜のだぶつきとズレが発生し、加齢に伴うドライアイも相まって慢性的な違和感として自覚されることになります。基本的には加齢に伴う良性の疾患ですので自覚症状の強さにより手術加療の適否を決定しております。
治療
結膜を清浄後、同部位に注射の麻酔をします。下方の余剰結膜をバランスよく除去し、断端は熱凝固接着もしくは縫合します。当院では、概ね以上の流れで施行しており、5分程頂いております。
消炎目的に術後数カ月点眼剤を使用します。
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BEFORE術前
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AFTER術後1週間
BLEPHAROPHYMA眼瞼腫瘍手術
概念
まぶたには様々な良性のできものが発生しますが、よく見られるのが「乳頭腫」、「母斑(ほくろ)」、脂漏性角化症、黄色腫などです。乳頭腫は過去のパピローマウイルス感染が契機となって発症する良性腫瘍です。黄色腫は高脂血症の方に発生する脂質に富んだ腫瘤です。良性の疾患ですので視界の妨げになる場合や整容的な問題を伴う場合で、ご希望下さる場合に手術加療しております。
治療
腫瘍周囲を消毒後、同周囲皮下に注射麻酔をします。皮膚の皺のラインに沿って、腫瘍本体と周囲皮膚を紡錘状に切除し、ひきつれ等発生無いようバランスよく断端を縫合します。当院では、概ね以上の流れで施行しており、10分程頂いております。1週間後に抜糸します。
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BEFORE術前
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AFTER術後
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BEFORE術前
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AFTER術後
CHALAZION霰粒腫手術
概念
眼瞼にある脂腺のうちマイボーム腺が何らかの炎症で詰まってできた腫瘤を霰粒腫(さんりゅうしゅ)と言い、尾張地方では「めんぼ」と呼ばれています。麦粒腫等の感染による炎症が原因でマイボーム腺の閉塞が発生することもありますが、これ自体は感染ではないため痛みは無いか消失しています。しこりは炎症の程度により大小変化しますが、大きくなって被膜が破れて細菌感染を引き起こした場合は赤く腫れあがり、痛みを感じます。
まずはステロイドの点眼剤や軟膏剤と必要に応じて抗生物質の点眼剤や軟膏剤を使用した消炎療法を行います。消炎が奏功し、外観等含めて問題ない場合はそのまま経過観察としますが、軽快しない場合や軽快しても再燃を繰り返す場合は手術加療適応となり得ます。
治療
周囲を消毒後、局所麻酔薬を注射して10分程経過した後、眼瞼切開し内容物を除去します。表面側に大きな隆起がある場合は表面側を切開して被膜を含めた内容物を除去し、最後に縫合して1週間後抜糸します。眼瞼内側に限定的な隆起がある場合は、内側のみ部分切開し内容物及び被膜を除去します。
当院では、概ね以上の流れで施行しており、眼瞼表面側15分程、内側5分程頂いております。
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BEFORE術前
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AFTER術後
NASOLACRIMAL DUCT先天鼻涙管閉塞症手術
概念
涙腺で産生された涙は角膜や結膜を潤した後、涙点と呼ばれるまぶたの鼻側にに存在する排水口から鼻腔に向かって排水されます。正常であれば母体内にいる間にこの排水ラインは完成するのですが、未発達で生誕すると、生後間もなくより流涙が続くこととなります。生誕6カ月頃までに50%程の場合において自然開通する可能性がありますので、それまでの間は排水ラインに圧をかけて開通を促す、目頭内側の鼻根部へのマッサージのみで経過観察します。生後6カ月経過しても開通が無い場合にご相談の上、手術加療をさせて頂いております。
治療
涙点周囲を清浄し、点眼麻酔をします。まずは涙点から生理食塩水を数回流し、内部を洗浄します。ブジ―と呼ばれる精細な金属器具を涙点から内部に刺入し、解剖学的創口に沿って鼻側に向かって進め、閉塞部を穿破します。内部を再度洗浄し終了です。
当院では、概ね以上の流れで施行しており、10分程頂いております。